骨盤の構造


骨盤は、太ももの大腿骨(だいたいこつ)と脊柱(せきちゅう、背骨のこと)の間で体を支える、一群の骨の名称です。

骨盤は一つの骨ではなく、左右一対の寛骨(かんこつ)、仙骨、尾骨(尾てい骨)で構成されます。


「寛骨」(図の4)は、

腸骨(図の1
坐骨(図の2)
恥骨(図の3)

という3つの骨から構成されています。

ゾウの耳のように左右に開いているズボンのウエストのひっかかり部分の腸骨と、座るとイスに当たるお尻の坐骨、そして膀胱の下の恥骨です。

生まれた時から腸骨・恥骨・座骨は、軟骨で(いわばグラグラの状態で)結ばれています。

それが身体が成長し成人ごろまでに、3つの骨が融合することで1つの骨・寛骨になります。

腸骨のお尻側下部は、坐骨があり、前方は恥骨と結合しています。

腸骨は、股関節で大腿骨とつながります。

また、腸骨と仙骨は、仙腸関節という関節でつながっています。


「仙骨」(図の6)は、左右の二つの腸骨に挟まれて、骨盤の中心にあり、ゾウの顔のように見える逆三角形の骨です。

はじめは分離していた第一から第五までの仙椎(せんつい)が、成長とともに癒合して一個の仙骨となります。

仙骨の上には第五腰椎があり、それが脊柱へとつながっていきます。


「尾骨」(図の5)は、尻尾のなごりのような仙骨の下の骨で、脊柱の下端になります。

成長とともに、3~5個の尾椎(びつい)が融合してできた骨です。


骨盤は、周囲の発達した筋肉で支えられています。

重要なのが、大腰筋(だいようきん)と腸骨筋(ちょうこつきん)です。

大腰筋は、脊柱から骨盤を通り、太ももの大腿骨まで達し、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。

腸骨筋は、骨盤と大腿骨をつなぐ筋肉です。

この2つの筋肉を総称して、腸腰筋(ちょうようきん)とも呼ばれています。