骨盤の歪みが原因の症状


骨盤は体を支える大切な部分であるために、骨盤の歪みで体のバランスが崩れ、体が不調に陥ります。

ここでは骨盤の歪みが原因で現れる、さまざまな症状を見てみましょう。

しかしこれらの症状はすべてではないので、何らかの不調に悩まされている方は、骨盤の歪みが原因かもしれません。


・腰痛

骨盤の歪みの影響を受けやすいのが腰です。

骨盤が歪むと、周辺の筋群に負担がかかり、骨盤と連動している腰椎(ようつい、脊椎の下部の腰の部分)が捻転することで腰神経が圧迫されて腰痛を発症します。

たとえば、背中を支えている脊柱起立筋や、腰を支えている大腰筋などに負担がかかり萎縮することで、腰椎に圧力がかかり軟骨が圧迫され「椎間板ヘルニア」になります。

腰痛の一種である椎間板ヘルニアは、腰椎と腰椎の間にあってクッションの役割をしている椎間板軟骨が圧迫され飛び出して神経を圧迫した状態のことをいいます。

またその時に、坐骨神経が圧迫されると、「坐骨神経痛」になります。

坐骨神経痛は、咳をしても響き、トイレにも立てないほどの痛みと痺れがでるという腰痛の一種です。


・新陳代謝の低下

骨盤の歪みによって内臓が下垂すると、各器官を圧迫します。

これによって、血液やリンパ液などの体液の循環を滞らせ、人体のバランスを司る新陳代謝の機能を損なうことになります。

新陳代謝は、身体に蓄積した老廃物を排出を促す重要な機能です。

この老廃物を排出する機能が低下すれば、便秘や肌荒れ、むくみなどの悪影響を及ぼします。

さらに血流の低下は、低体温、冷え性、低血圧など様々な症状として現れます。

また、骨盤が歪むと、体幹部の筋肉の緊張のバランスが崩れてしまいます。

使う筋肉と使わない筋肉が出てきてしまうのです。

これによって、脂肪を燃焼する最大の器官である筋力が低下すると、代謝が低下し、肥満などにつながります。


・冷え性

骨盤の歪みは、骨盤内の血流の悪化を招くことがあり、それが原因で冷え性になってしまうことがあります。

特に女性の場合、骨盤内には、子宮や卵巣なども含まれ、構造が複雑なため、少しのズレでも血流が悪くなってしまいます。

さらに下半身の冷えは、生理痛や生理不順、肌荒れ、便秘なども引き起こします。

お尻が体の他の部位よりも冷たいようなら、骨盤の歪みが冷え性の原因かもしれません。


・下半身太り・肥満

骨盤の歪みは、下半身太りや肥満を引き起こします。

まず単純に、骨盤が開くとお尻も大きくなるので、下半身に肉が付きやすくなります。

産後の女性のヒップサイズが未婚の女性に比べて大きめなのは、出産で骨盤が開いたせいだと言えます。

骨盤の歪みで血流やリンパの流れが悪化すると、足のむくみの原因になります。

また、骨盤が歪むと、内臓が下垂して、ぽっこりお腹の原因にもなります。

体幹部の筋肉が弱くなり、代謝の低下を招き、太りやすい体質になります。


・便秘・下痢

便秘や下痢はいろいろな原因がありますが、骨盤の歪みによって、便秘や下痢につながることもあります。

特に女性の場合、骨盤の中に子宮や卵巣などが配置されているため、骨盤の中の構造は男性よりもずっと複雑なものとなっています。

わずかな骨盤のズレでも、内臓の位置のズレが生じて圧迫がおこり、大腸の機能が低下すると、便秘に直結しやすくなります。

また、骨盤の歪みのために、自然に開閉する骨盤の動きが悪くなることもあります。

骨盤が、閉じたままになったり、開いたままになったりすると、ホルモンバランスの乱れが生じることがあり、それが便秘につながることもあります。


・O脚・X脚

骨盤の歪みで、骨盤のつなぎ目が左右の股関節が外側に向くように開いてしまうと、O脚の原因となり、逆に、骨盤のつなぎ目の左右の股関節が内側に寄りすぎるとX脚の原因となります。

O脚やX脚は、足の骨の変形と思われがちですが、骨盤の歪みが原因となっていることがほとんどのようです。


・生理痛・生理不順

骨盤の歪みによる、内臓の下垂やズレによって、子宮や卵巣を圧迫すると、生理痛の原因となることがあります。

また、骨盤の歪みで起こる冷え症は、生理痛を悪化させます。

骨盤の歪みが原因で生理痛が重い場合、歪みを矯正することで嘘のように生理痛が解消されることがあるようです。


・バストが下がる

骨盤の歪みの影響はバストにも表れ、骨盤の上にある肋骨が下がって、バストが下がり気味になってしまうこともあります。

またバストを下げる原因となるねこ背も、骨盤の開きによって起きる体の歪みです。


・ヒップが下がる

骨盤が開くことによって、横に広く、たれたお尻になる原因となります。


・不妊

骨盤に歪みがあることで、子宮や卵巣が圧迫されたり、血流が悪くなったりすると、不妊に悩まされることがあります。

また、骨盤の歪みは、子宮外妊娠や、卵管障害、流産などの原因にもなります。

骨盤に歪みがあっても、問題なく妊娠・出産ができる人もいますが、骨盤の歪みにより妊娠中の腰痛や恥骨の痛みなどに悩まされる人も多くいます。


・不眠

骨盤が閉じたままのとき、不眠や寝付きが悪いなどの症状が出やすくなります。

骨盤はリラックスしているときには自然に開き、逆に緊張したり頭を使っているときには閉じます。

寝ているときは、通常もっとも骨盤が開いていますが、緊張・不安などによって常に骨盤が閉じたままの状態だと、寝付きが悪くなり、不眠へとつながります。

また常に緊張していることから、ストレスの症状も出やすくなります。